孤独

先日、銀行の前に知り合いの弁理士が立っていました。大変無防備な背中。声をかけようと思いましたが躊躇してやめました。彼は通帳を開いてビルの谷間から見える空を見上げていたのです。たしか、彼は開業して一年程度。窮地に陥っていることがすぐに見て取れるマイナスのオーラ満開の背中。無視したわけではなく、あまりに気の毒に見えた為、声をかける勇気が出なかったのです。闘う男にとって励ましは不要。心の中で「頑張れ」とエールを送るのが精一杯でした。

特許事務所に限らず、経営者、とりわけ、創業者は孤独です。軌道に乗せられるか、資金が尽きて夢破れるか。成功するか失敗するか。収入が無い状態が続くのは本当に大変です。それ故、準備資金はもちろんのこと、強靭な精神力と意志、決断、行動力が求められます。一般の企業の生存率、10年では6%、30年後では0.025%。特許事務所の場合は初期投資が少なくてすむので、もう少し高いかもしれません。いずれにせよ、経営者たる者、誰にも泣きつくことはできません。一人で闘わねばなりません。所帯が大きくなれば従業員やその家族も背負うことになり、精神的負担はますます増大してゆきます。

経営者は「仕事が入らない」といった状態に陥る可能性と常に闘っています。不安と恐怖の中での毎日なのでそういった状況を夢でみることも多いのではないでしょうか。出費ばかりで収入のない状況、これは本当に恐いです。

その点、雇われる側はある程度気楽です。私も営業職で長年サラリーマンを経験してきましたが、成果を上げずとも収入は保証されます。研究や開発職も同様です。多少居心地が悪くなる程度です。

そういう意味では経営者と従業員の間に溝ができてしまうことはよくあります。大人同士ですから言動には出しません。が、目には見えない心情的な対立の溝が存在しているのです。特許事務所では特に多いです。

それぞれが自分の仕事に集中しているのみ。収入の保障によってのみ保たれている均衡。静かな職場ではあるも雰囲気最悪という感じ。不満という名の火薬で爆発寸前!そういった空気に圧倒されること、しばしばです。

そんな時は、思い切って一度破壊してしまうのも手です。雨降って地固まるとでも言いましょうか、お互いに思っていることを口に出し、共有できる部分、修正可能な部分、そういったところを見つけてゆく努力をするのです。そうすれば、その過程で溝が埋まり、絆が強くなるかもしれません。

恋愛や夫婦として長く付き合ってゆく秘訣と同じですね。簡単なことではありませんが、チャレンジあるのみです。やらないよりはやった方がいいはずです。無駄ではないので、そういった時間を作ってみてはどうかと思う今日この頃です。

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